こんにちは。JPと申します。
この度は、Sen氏主催の第12回合同リクエスト(通称:地獄)に参加させていただきましたので、それについての記事を。
パワプロに興味を持ってSNS等で同じ趣味の人と交流するようになってから参加したかった企画に参加できて嬉しいです。
かなりグイグイ参加希望をしていたので、主催様に引かれていないか心配です。
〈合同リクエストって何?〉
簡単に言うと、「みんなで持ち寄った選手案をシャッフルして誰かに作ってもらう」という企画です。当然(?)、参加者の皆様は他人を困らせる製作者の想像力を刺激するために少しひねったリクエスト文を仕上げてくることが多いようです。そのため、突拍子もないリクエストが飛んでくることもあるようですが、それが楽しく、かつ「地獄」と呼ばれる所以でもあるということなんですね。
私以外の参加者の皆様のブログはこちら。
Sen氏(主催)
→senの日記
ルイセンコ氏
→ぱわぷろセゾン
ねむり猫氏
→ねむり猫パワプロ研究所
ともとも氏
→パワプロ劇空間
怨霊氏
→パワプロのやつ
パワプロおじさん(東雲さんの婿養子)氏
→スクストとパワプロと私
〈担当したリクエスト〉
今回、私に割り振られたリクエスト文は以下の通りです。
⑤選手名 ヤンババ・ンジュ
ポジション:キャッチャー
巧みな話術(セールストーク)でバッターを困らせるアヤシゲな助っ人外国人。
ちょっと前までインドでアコギな商売とクリケットの二刀流を熟すペテン師だった。クリケットよりも野球のほうが儲かると知った途端、なぜか来日を決意。その辺のトライアウトを受けまくってたら、ふてぶてしい精神力を買われ、見事プロ入り。
相手の集中力をかき乱すプレーで、ピッチ上のファンタジスタの異名を我が物にしたい。
ちなみに投手陣からの評判は芳しくないらしい。
(ここまで原文ママ)
(補足:本来の名前はヤン・ババ・ンジュ、Yam Baba Njue)
???
意味が分からない。だが、もう面白い。
今回のリクエストの中では一番のイロモノだったのではないかなと思います。なんなんだよこの設定。
よく読むと野球に関する情報がほとんどないのもヤバい。
〈経歴などを考える〉
早速お題を深堀りしていこうと思います。オリジナル選手を作るなら、まずはその選手の人物面の基礎固めをそれなりにする必要があると思うので。
最初に「ンジュに野球経験があるのか」という点を考えてみます。
これに関して、文章内からは
①「野球」というスポーツを知っている描写はある
②来日してすぐトライアウトを受けているように取れる
③どんな形であれプロの目に留まり、プロ入りを果たしている
という三点が役立ちそうです。
まず、インドに野球のリーグやチームがあるのかどうかを調べてみたところ、なんとムンバイ・コブラスというチームが2023年5月にベースボール・ユナイテッド*1の最初の球団としてインドに誕生していたことがわかりました。ンジュもたぶんこのチーム設立を受けて野球の存在を知ったということを推測できます。これで①は辻褄が合いました。
そして、日本でNPB経験者以外が受けられるトライアウトを調べてみたところ、やはりというか独立リーグ各所のトライアウトが10月~11月にあるようです。もちろん2023年にも開催されていました。ただ、こちらも(当然といえば当然ですが)殆どが野球経験者を対象としたものであり、完全な野球未経験では受験できません。そのため、②から推測するに、「ンジュは野球の経験が多少なりともあったのではないか」と考えられます。
ンジュはあまりいい人ではなさそうなので、多少経歴をごまかしてトライアウトを受験した可能性を考えることもできますが、そんな状態ではたぶんプロの球団からよく見られるようなプレーは無理でしょう。これでは③に矛盾してしまうので、「ンジュは野球の経験があった(ないしは、野球に興味を持ってから経験を作った)」という方向性で話を進めていきます。
時系列で表すと、こんな感じになるのかなと。
2023年5月 - インドに野球チーム「ムンバイ・コブラス」が設立される。ンジュ、野球の存在を知る。
2023年5月~9月ごろ - ンジュ、日本で野球をすることを決意。野球の知識と技術をそれなりに身に着ける。
2023年10月ごろ - ンジュ、独立リーグのトライアウトを受けに来日。トライアウトを片っ端から受けまくる。何かしらの形でその様子が某プロ球団のスカウトの目に留まり、その球団が獲得に乗り出す。
2023年11月ごろ - ンジュ、入団(たぶんテスト経由)。日本にいるためそのまま秋季キャンプに参加する。投手陣からの評判はあまりよくなかった模様。
2024年~ - ンジュの日本でのプロ野球人生の始まり。
パワプロで再現する仕様上、プロ球団のどこかに入団した、しかも支配下であるという設定にすることにしました*2。
ほとんど実戦経験もない選手を支配下で獲得することはものすごく考えづらかったのですが、
・捕手というポジションの特殊性故に少しでも一軍で運用できる頭数が多い方がいいと球団が考えるのではないか
・元々クリケットをやっていて身体能力はそこそこあると考えられる
・実力が多少不足していても「性格だけでプロ入りした」とほぼ明言されている杉谷拳士選手(元日本ハム)がドラフト本指名で指名されているという前例?がある
という要素を考えると、まあいいんじゃないかなと(適当)。とはいえ手放しで入団させるわけにもいかないので入団テストはしただろうというそんな感じです。そこで「野球センスを感じた」とかなんとかで入団した感じかなーと想像しました。
で、身体能力やセンスも評価されて入団に至るとすればンジュは割と若いと考えられます。インドの学校事情を調べたりして考えたところ、24歳くらいが妥当かなと。そのくらいの年齢なら身体能力も中々のものでしょう。
投打はシンプルに右投げ右打ちで。
登録名ですが、パワプロによびかたが収録されている「ヤン」でいくことにしました。
誕生日はアコギ=アコースティックギターということで*3、「ギターの日」である8月30日に設定します。
〈能力を考える〉
まず最初に、「巧みな話術でバッターを困らせる」→こんなもんささやき戦術しかないやろ!と。ここは確定です。アオハル高校のおかげで金特の取得もそこまで大変ではないので。
最初に基礎能力から考えていきます。
まず能力設定に使えそうなのは
「ちょっと前までインドでアコギな商売とクリケットの二刀流を熟すペテン師だった」
という意味不明な経歴でしょう。
まずは基礎能力として考えやすい「クリケットの経験」の方から考察していきます。
まず「野球と似ている」とされているクリケットと野球の違いをざっくり調べてみたところ、
・バットは長い上に幅が広い。わかりやすく言うと船のオールが近いか
・捕手も含めて野球のグラブは使わない。基本的に手(捕手以外は素手)で捕球することとなる。なおボールは野球の硬球と同程度の質感のため普通に痛い
・ファールゾーンがなく、背後を含むどこに打っても良い
・打者は背後のウィケットを倒されてはいけない(当然自身で倒してもいけない)ので、ウィケットに当たりそうなボール(野球でいうストライクゾーンに近い)は積極的に振るし、自身で倒さないためにアッパースイング気味の打撃が多くなるらしい
・打ったあとは、バットを持ったまま短い距離を往復するように走る(場合によっては走らなくても良い。判断は打者とその相方で行う)
・フィールドはあまり広くはなく、フェンスも低いがどこに打球が飛んでくるか分からないため守備は割と難しそう
と、色々と相違点があることが分かりました。
余談ですが、試合映像がYouTubeにあったので少し観ましたが、結構面白いですね。これは世界では野球より人気なわけだ。「実況パワフルクリケット」とか出たら買っちゃうかもしれません。
〈基礎能力〉
まず基礎能力については、先のクリケットについての考察から
・アッパースイングを主とする→弾道は高め
・バットの形状が全く違う。特に野球はバットの面の広さがかなり狭いため、野球バットではミート面でかなり苦戦しそう
・クリケットにおいてパワーはそこまで必要ない印象だが、身体能力やセンスという設定を考え少々高めに
・走る力は必要なので走力は上げる。「ピッチ上のファンタジスタ」要素にもなるかなと
・肩力はクリケットにおいてそこまで重要では無さそうだが、身体能力の表現と捕手としてプロ入りしたことを考慮して初期案*4よりは高く
・守備力は低めに。足がある分でカバーしてほしい
・捕球は思ったよりは高いけど別に高くない(?)感じで。クリケット捕手の捕球体制は野球と近いため、野球の捕手もそこまで難しくないだろうが、野球のグローブを使う(両手での捕球ができない)ことが逆に足枷になるのではないかと考えた
という設定にします。
細かい数値は以下の通り。
弾道:3
ミート:F24
パワー:D56
走力:A81
肩力:C62
守備力:E43
捕球:E48
全体的にセンスを感じてほしいので能力を盛っています。
〈特殊能力〉
こちらは先のクリケット要素も取り入れつつ、お題全体の雰囲気から設定していきます。
ただし、前述した通り今回は若手の設定にしたので、特能をつけまくってキャラを演出!というよりは「パワプロのデフォルトに紛れ込んでいてもあまり浮かない」方向性、つまりどちらかと言うと特殊能力をそこまで盛らない方向性で考えていきます。前者でもネタとしては面白いですが、「○○だからこれをつけて、それとは別に△△だからこれをつけて……」とやっていたらキリがないと思うので。情報量の多いお題に当たったから、ということも言えるかなと思います。
ただ、最近はデフォルトで「基礎能力低め・特能多め」の査定をすることが多いと感じるので、その辺りも考えつつやっていきます。
まずはランク系特能から。
チャンス→C
アコギ(強欲)要素=打点乞食的なアレ。チャンスでも浮き足立たない精神力も表現できるかなと。
対左投手→D
クリケットの世界に左投手がそんなにいなさそうですが、そもそも見たこともあまりないはずなので逆説的にそこまで苦にならないのではと。右打ちですし。
キャッチャー→C
ここは結構悩むところ。
E以下→「投手陣からの評判は芳しくないらしい」という要素を考えるならこっちかなと。ただそうすると「ささやき戦術」から感じる頭が良さそうな雰囲気との矛盾が生じてしまう
C以上→パワプロ的な思考で、ささやき戦術という特殊能力のイメージを優先するならこっちかなと。ただし捕手としての明確な弱点が作れなくなる可能性がある
(今回はデフォルトのDは面白みがないので除外)
今回は後者をとりました*5が、ここは作り手によってかなり分かれる部分かなと。
盗塁→F
クリケットに盗塁なんてないし、何より身体能力頼みの技術不足感が出るので。
走塁→D
クリケットでは短い距離を素早く往復する必要があるので上げようかとも考えましたが、そもそも走塁のシステムが全く違うので普通で。
送球→F
ここに「投手陣からの評判を落とす要素=捕手としての弱点」を持ってくることに。クリケットにおいては盗塁が無いのもあり、送球の大事さをあまり感じなかったことも理由の一つです。
そこまで肩も強くないので、「盗塁が刺せない」のが彼の弱点になります。リードの効果を投手たちがどの程度感じるのかが分からない*6ですし、秋季キャンプだけではそもそもリードもそこまで見られないかなという部分もあるので、シンプルに「ンジュの時は盗塁されやすそう」となれば評価も下がるかなと。
ケガしにくさ→C
クリケットにはデッドボールが存在しない(当たってもプレーする必要がある)ため。この年でクリケット(と商売)がこなせるならそれなりに頑丈でしょう。
回復→A
ちょっと前までクリケットというかなりハードそうな競技をやりつつ、商売もやってたということで。つまり二刀流。二刀流といえば大谷翔平選手。大谷翔平選手といえば回復Aって感じです(?)
その他の特能についても。まずは候補を探ります。
ローボールヒッター
クリケットの影響でアッパースイング気味になりそうなので。
カット打ち
これもクリケット要素。後ろに打つのがうまい。
対変化球○ 悪球打ち
これまたクリケット要素。クリケットにおける投球はワンバウンドさせる必要があるので。野球でワンバウンドする球はほぼフォーク等の落ちるボールなので先のローボールヒッターとも整合性があるのではないかと。ついでに「ワンバン打ち」のイメージから悪球打ちも。
積極打法 三振
しつこくクリケット要素。
積極打法はクリケットでは基本的にウィケットを倒される(=投球が直接ウィケットに当たる)とアウトなので、それを阻止するために振る必要があるので。その代わり何度空振りしてもウィケットが倒されさえしなければOKなので、その時の感覚で振りまくってしまうのではと考え三振も候補に。というかそれ以前に野球の経験の浅さを考えると三振しまくりそうですが。
かく乱 プレッシャーラン ホーム突入
ファンタジスタ要素。集中力を掻き乱してミスを誘発させるぞ!
後ろ2つは「ちょっとダーティなプレーもしそう」というイメージも含む。
ダメ押し
アコギ要素。逆境○とかではなくてダメ押しが似合う。
ホーム死守
ふてぶてしくホームに居座りそう。なんなら普通にコリジョンとか引っかかるブロッキング連発しそうだけど、その辺は野球初心者なんで仕方ないね。
積極守備
稼ぎのために日本に来る、そしてあらゆるトライアウトを受けまくる積極的な行動。日本すら守備範囲という意味も込めている。
意外性
なんか知らんが似合う。
この内、絶対必須と考えたのはカット打ち・ローボールヒッター・三振、その他に(キャラ付けとして)つけてもいいなと思ったのはダメ押し・ホーム死守・ホーム突入・積極守備。ということでそれらを搭載。個人的には悪くない塩梅だと思います。
〈その他〉
この手の素材型をチームが放っておくわけがないので、たぶん捕手以外も練習させるでしょう。脚も早いですし。
ということで、サブポジとして遊撃手・外野手を付与させました。リクエスト内にサブポジ禁止とも書かれていないので、まあ大丈夫だと思います。
〈完成した選手〉
パワナンバー:13300 62258 48133
所属チームはランダムで選ばせました。案があったけどいつもの選手育成の癖で間違えたとか、決してそういうのではありません*7。
インドでは赤がいい色とされているようなので、グローブ等の装備品は赤にしてみました。
あと、背番号もインドでは完全数とされるらしい9に設定しました。
〈全体の総括〉
特徴のメリハリをはっきりさせるイメージで制作しました。なかなかいい出来だと自分では思います。
お題の文章内に情報量がかなり多いので、詰め込みすぎると逆に面白くなくなってしまうと感じ、どこまで要素を詰めるかの取捨選択もある程度は行いました。その辺を考えるのも楽しかったです。
〈ちなみに〉
私は、このリクエスト分を見た時から少し違和感を感じていました。それは「クリケットよりも野球のほうが儲かると知った途端、なぜか来日を決意。」という部分です。何かで本場のクリケット選手の稼ぎはすさまじく、年俸が凄い額になることもあると見たことがあった気がしたからです。
調べてみたところ、日本プロ野球選手の年俸平均は約4468万円(2023年、プロ野球選手会の発表)。
一方、インドにおけるクリケットのトップリーグである(IPL)での選手の平均年俸は日本円換算で約4億円、最高年俸は単年で25億円にものぼるそうです(2020年のデータ)。
そのため、単純にお金の価値だけで言うと、来日して野球をやるよりも、インドでクリケットを極めた方が稼ぎはかなり多くなると予想されます*8。多分ですが、「クリケットより野球の方が稼げる」というのはウソです。
インドでクリケットで稼ぐのは難しいと思いますが、少なくともゼロから始まる日本での野球よりははるかに楽かなとも思います*9。
ンジュ、君はまだ若い。
どうか考え直して、祖国でクリケットを極めてくれ。
そんな感じで終了となります。ありがとうございました。
他の参加者の皆様に割り振られたリクエスト、及び制作選手はこちら。
Sen氏(主催)*10
ルイセンコ氏
ikezu-no-pawapuro.hatenablog.jp
ねむり猫氏
ともとも氏
怨霊氏
パワプロおじさん(東雲さんの婿養子)氏
〈おまけ〉
こんなクソ長い文章を最後まで読んでくれたあなたに、本文内でも少しだけ触れた初稿で制作したバージョンのヤンをプレゼントします。
パワナンバー:13200 42258 24052
ぐっちゃぐちゃです。これでは厳しいでしょう(何が)。
本当にこれで終了です。ありがとうございました。
〈後記〉
書こうかと思ったんですが、この記事の容量がデカすぎるので、別記事に分けて書こうかなと思います。
*1:2023年11月ごろにショーケース(顔見せのオールスター的な試合)をやって、日本でも元DeNA・平田真吾投手や元阪神・ロサリオ選手などの参加が話題になったアレです。2024年から本格的なリーグ戦が始まるらしいです
*2:一応育成(背番号3桁)ということにもできますが、パワプロにおいては背番号3桁でも普通に一軍の試合に出せるのであまり意味が無いかなと考えました
*3:ということではない
*4:最初は肩力F39というなかなかトチ狂った想定でした
*5:インドで商売ができている、後付けだが野球の知識を短い期間でそれなりに習得したと考えられる点を考慮すればンジュも頭が悪いわけではないと解釈できるのも追い風になっています
*6:これはパワプロ的な思考ではなく、現実寄りな話。よほど一辺倒なリードをしない限りは、投手はどの捕手のリードもだいたい同じに感じているのでは?と考えました。素人考えですが
*7:実際はそういうのですが、面倒なので妥協します。本当はソフトバンクにするつもりでした
*8:インドの物価は日本より少し安いようなので、実質的な稼ぎとしてもインドに留まるほうが良いと思います
*9:裏付けを一切取っていないので、こっちに書いてあることが間違っている可能性はありますが
*10:全体のまとめ記事も兼ねています